Aquaです。
ついにヴァンパイアの書も最終巻。
準備はできました。
アートセンター。
ここでリリスと会います。
エルミニア:どうかしたの?
リリス:そこで屋台料理食ったんだよ……。そうしたら吐き気がとまらなくてさ。
エルミニア:フローラ、ママがヴァンパイアになると毎日これよ。
フローラ:最近の私みたい。
エルミニア:まだあの果物飲んでるの?
フローラ:だってゆくゆくは毎食あれだもん。慣れないと。
リリス:ブラッドフルーツのことか? 言っとくがあれは、ヴァンパイアになった途端に美味く感じるようになるんだ。人間の身で飲む意味はない。
フローラ:で、でも私、その変化を体感したくて。
リリス:ほぉーお?
リリス:それで? ヴァンパイアになりたいんだな?
フローラ:なりたいです。
リリス:後悔はしないんだな?
フローラ:しない。
リリス:じゃあ治しかたは知ってるな?
フローラ:それはまだ……。あ、でも、ヴァンパイアの力を打ち消す方法は知ってます。
リリス:うーん……。ま、そこまで知ってるならいいか。治療法にもそのうち辿り着く。よし。始めよう。
リリスが闇の住人形態を見せました。
リリス:ちょっと眠ってな。そのままだと痛いから。
フローラ:ほぁ……?
フローラ:うぅ……
とぼんやりしたフローラのその首筋へガブリっ!
リリス:んぁあ。生は違うなァやっぱり。……おっといけない、人様の血でうっとりすんなアタシ。
リリス:ご馳走様。
フローラ:ん~~何したんですか……
リリス:次にだ、えっと確かこう……
フローラ:(確か? 今「確か」って言った……?)
リリス:さあ飲みな。あとは一日半待てばお望みの身体が手に入る。
フローラ:えっこれ飲む……の……?
リリス:いつもブラッドフルーツ飲んでんだろ? 平気なはずだ。
フローラ:いや、飲んでますけど平気なわけじゃ……わかりました、いきます。
ぢゅうううぅぅぅぅぅ……
リリス:そうそうそうそう言い飲みっぷり……ああいや……ちょっと飲み過ぎ待って
リリス:も、もう、いい。もう大丈夫だから。もういい! もう充分だ!!
リリス:いいっつのもう!!
リリス:……ビックリしたあ。アタシを空っぽにする気か!?
フローラ:あっ……つい夢中で。
以降、フローラは謎の空腹感を覚えるようになりました。
フローラのが人間性を失うまでの最後の三十六時間。
スタートです。
【前回のあらすじ】
フローラが若者に成長。
【主な登場シム】
ウィロー・ウォルター
Walter Willow
願望:一流バーテンダー
特質:自信家 陰気 ブラザー
何も知らないウィロー七代目。
そのほうが幸福だ。
ドラモンド・エルミニア
Herminia Drummond
願望:ヴァンパイア一族
特質:外交的 大食い 悪人
ウォルターの妻。
長年の夢が……ついに。
ドラモンド=ウィロー・フローラ
Flora Willow-Drummond
願望:マスター・ヴァンパイア
特質:一匹狼 悪人 完璧主義者
ウォルターの娘。
人間卒業まで秒読み段階。
特質:オタク 被害妄想
フローラの妹。
部屋篭もりなのに蚊帳の外。(やかましいわ)
パート3
ウォルター:何かいいことでもあったのかい?
エルミニア:そう。フローラがね、ちょっとね。フフフ。
ウォルター:教えてくれないのかあ。
エルミニア:あの世に行ったら教えてあげる。なんて。
ウォルター:それなら死ぬのも怖くないな。
エルミニア:でしょ?
ウォルター:そうだ、きみこないだから言ってたよね、「仕事辞めて一緒にいてほしい」って。
エルミニア:うん。
ウォルター:流石にこの歳じゃあ夜勤はきつくてさ。ここらで区切りをつけようと思うんだ。フローラも働ける歳になったし。
エルミニア:ほぉんと! 嬉しいわあ。
ウォルター:それでさ、またウィンデンバーグのどっかで暮らせたらなって思うんだよね。
エルミニア:いいじゃないのそれ。楽しみ。
フローラ:ああぁ……気持ち悪……。
エルミニア:ところでねウォルター。私ねえ夢があったのよ。
ウォルター:夢。前に言ってたね。結局なんだったの? お腹いっぱい食べるとか?
エルミニア:ヴァンパイアになりたかったのよ。
ウォルター:えぇ? 聞き間違いかなあ今、「ヴァンパイア」って……
エルミニア:そう。ヴァンパイア。あらゆる生き物を喰らい尽くせる人間より更に強い存在。憧れだったのよねえ。
ウォルター:えぇ……
エルミニア:でもね。ウォルターあなたがいたから道を踏み外さないで済んだのよ。
ウォルター:そうなの?
エルミニア:そう、たらふく食べさせてくれたじゃない。お陰で幸せだった……。ヴァンパイアってほら、人間の食べ物は食べられないから、それが嫌になったのよね。
ウォルター:ああそういうことか!
エルミニア:そうそう。美味しいものたっくさん! ご馳走様ウォルター。
ウォルター:ははは……いや、いいんだよ。
フローラ:うぅ~ん……
ウォルター:エルミもありがとね。僕の人生楽しかったよ?
エルミニア:やめてよちょっと、そんな、お別れみたいな……
ウォルター:いやそっちが先にそういう話してきたんじゃないか。
エルミニア:それはだって、ウォルターが先になんかしみじみするから。
ウォルター:やそりゃあの世がどうたら言うからあ。
エルミニア:言ってみたかったのよ歳とったらあ。……
ウォルター:……
ウォルター:っはっはっは
エルミニア:フフフ
フクシア:オカンたちが向こうで堂々とイチャついてるせいでメシがマズい。
ご愁傷様。
フローラ:うあぁ何この感じ……うげ……
辛そうですね。
身体が変化している証です。
フローラ:お腹すいた……けどごはん……じゃない……
フローラ:そうだ、今ならどんな味がするんだろう
ぢゅううううぅ……
フローラ:うげぐ……もっと気持ち悪くなっちゃった……。
ウォルターの料理を食べても不快だそうで。
暫くはしんどい時間が続くでしょうね。
エルミニア:フクは気楽そうねえ。
フクシア:えっ。なんか悪かった?
エルミニア:悪かないけど……もちょっとこう役に立ちなさいよママたちの。
フクシア:子供だからって親の役に立つ必要なくない?
エルミニア:ちょっとはフローラを見習えって言ってるの。
フクシア:初めからそう言えばいいのに。めんどくさい。
エルミニア:何い?
フローラ:ぁあああァああちょっとまって……ホント動けない……ムリ……
ウォルター:ただいまあーっ……。いやあホント急にしんどくなってきたな……。定年はとっくに過ぎてるもんな。
おうおかえりウォルター。
お疲れ様。
ウォルター:イテテ……なんだ、起きてたのか。
フローラ:うん……いっぱい休んだら目が冴えちゃって。
ウォルター:そっか。何読んでんの? ヴァンパイアの本? あれ面白いよね。ママの趣味だったんだってなあ。
フローラ:うん。うん!? ……ああ、うん。
フローラの不快ムードレットが変化しました。
以前より不快ポイントが増えています。
朝です。
フローラ:しんどい……
フクシア:昨日からそればっか。何、限界オタクの真似? お姉が?
フローラ:なわけないでしょ……。あんな気持ち悪いのの真似なんて。
フクシア:はあ? 今気持ち悪いっつった?
フローラ:どっちなのお前は。
フローラ:うぐあ……もう食べれない……
フクシア:食べなきゃいいのに。
フローラ:まだそういうわけには……
フクシア:「まだ」って何?
ついに「人間性を失いかけている」との文言が出てきました。
最終段階です。
フローラ:ッハハハ。もうすぐ……もうすぐだ私……!!
ウォルター:仕事行ってくる。
エルミニア:ねえいつになったらやめてくれるの?
ウォルター:もうちょっと待ってね?
エルミニア:そうお? ……いってらっしゃい。
フローラ:フゥーーッ! フゥーなんか……喉乾いてきた……ッ。喉…………!
とうとう普通の食べ物を食べるだけでも吐き気を催すようになりました。
やがて最後の不快ムードレットも消え……
フローラ:ママ。もうすぐだと思う。見届けて? 私がヴァンパイアになるところ。「ママの夢」の始まりを。
エルミニア:もちろん! 楽しみにしてる。
ウォルター:ぅあぇ……
おう、ウォルター今日もお疲れ様。
昇進したんですねえおめでとう御座います。
ウォルター:ふぁ……ただいま。もう寝るよおやすみぃ。
エルミニア:おやすみ。
さあその時です。
フローラ:う、ぅが……体が……
フローラ:あ……ああ……っ!?
フローラ:きた……きたきたきたキタ……!!
シュウウゥゥゥ……という音とともに黒い霧に包まれたと思ったその次の瞬間。
フローラは、
ヴァンパイアになりました。
(見た目はCASで整えました)
エルミニア:おめでとーー! よくやったよくやった! よくぞやってくれたっ!
フローラ:ありがとうママ。
エルミニア:自慢の娘よ!
エルミニア:さ! 思う存分夜を駆けなさい! 他のヴァンパイアなんて気にすることはないわ! あなたたちが次の王者! 生物の頂点よ!
フローラ:私が頂点。
エルミニア:そう! フローラあなたと、あなたの偉大なる一族が! 人間を支配するのよ! うぅぅ最高の気分! ここから私の夢が始まるんだね!!
フローラ:そうだね。でもママ?
エルミニア:うん?
フローラ:悪いけど、お前の夢はここまでだ。
エルミニア:んん!?
エルミニア:ちょっとっ!? ……うぅ
ぢゅううううううぅぅぅ……
フローラ:フウウゥゥゥ~~~~~生き返る。 ああ……もっと!
フローラ:ァアアッ! もっと!
エルミニア:ぅぁぁ……
フローラ:うん? なあにもっと飲んでほしい? フフフ喜んで。
ぢゆゅうううぅううううううぅぅぅ……
フローラ:アァ! ご馳走様♪ ごめんねママ、期待してくれてたのに。
ドスッ
フローラ:頂点に立つのはこの私。ただ一人。
今回はここまで。
おやすみなさい。